2025/08/03

セリフ集:鍛冶屋と付術師

ローグレガシー2の一回限りのセリフ集です。
汎用セリフや日記、記憶の断片などの何度でも聞ける(読める)セリフは省略しています。
金色の扉以降のセリフはさすがに自力で見てください。




鍛冶屋のアトス
 よう、おチビちゃん。鍛冶屋開業に力を貸してくれたこと、恩に着るぜ。

 俺は売れっ子鍛冶師ってわけじゃねえけどよ、この投資はぜったいに無駄にはさせねえぜ。

 設計図がねえから作れるもんは限られてるが、俺らが手を合わせりゃ、話は別だ。
 きっと、想像もつかねえようなもんが作れるぜ!

 だって、俺には想像力ってもんがねえんだから。

 俺はアファンタシアってやつで、想像力が欠如して頭ん中でアレコレ組み立てることができねえ。
 だからよ、設計図が要るんだ。

 そこで、取引といこうじゃねえか。
 お前が設計図を手に入れて、金を払ってくれるんなら、俺がその装備を作ってやる。

 どっちにとっても、うまい話しだろ。
 俺からすれば、タダで設計図が手に入るうえに客までくるんだから、ありがてえ。

 とにかく、話はもう十分だろう。今ある在庫を見てってくれ。




付術師のヌネト
 おやまあ、子ネコちゃん! こんなゴージャスな天幕を用意してもらって、悪いねぇ!
 
 精霊の力が怖いくらいに充満してて、クラクラするよ!

 ……なんてね、冗談、冗談! 値札が目に入ったもんでついね(まったく、ケチだね)。
 あたしがクラクラしてるのは、洗剤をたっぷり使ったから、その匂いのせいさ。

 ……もっといいものを用意してくれても良かっただろうに。

 まあ、もらっておいてとやかく言うもんじゃないね。
 だからあたしはもう、貧乏とはおさらばすることに決めたよ!

 さあ、正真正銘の魔法について話をしようかねと引き換えにね)!
 だってねえ、子ネコちゃん。エンチャントってのは安いもんじゃないんだよ。

 役に立ちそうなルーンストーンを見つけてくれれば、夢のような力を授けてあげるよ!
 敵から生命力を奪ったり、磁力の力を身に付けたりね!

 ……まあ、今のところはそれくらいかね。
 あとは…… 子ネコちゃん、あんたがルーンストーンを持ってきてくれたらの話さ!



鍛冶屋のアトス
 ごうごうと燃えさかる炉ほどいいもんはねえぞ、おチビちゃん。

 石炭に、溶けた鉄に、汗…… 思い出を掻き立てる匂いだ。

 ……まあ、白状しちまうと、体に悪そうな匂いでもあるがな。


鍛冶屋のアトス
 ずっと鍛冶師をやってきた。
 初めてハンマーを手にした瞬間に、これが俺の生きがいになるって分かったんだ。

 中には、俺に同情する人もいる。毎日毎日おんなじことばっかやって人生を過ごすなんてってな。

 だがよ、俺は運がいい方だぜ。
 だって、一生かけて人生の目的を探しても、結局見つからねえ奴はわんさかいるんだからな。

 ……探すばっかで、本腰を入れようとしねえからさ……

 まあ、俺が言いてえのはこれだ……
 おチビちゃん、買う気があるのかねえのか、どっちなんだ?


鍛冶屋のアトス
 ようおチビちゃん。お出かけか?
 石に“カジ”りついてでも、買い物はじっくりやれよ。にわ“カジ”込みは怪我の元だぞ。

 気に入ったか? 鍛冶屋仕込みの力ずくジョークだ。

 ……冗談はさておき、何か買った方がいいぞ。


鍛冶屋のアトス
 言葉と鍛冶物の共通点が何か分かるか?
 どっちも使うものだ。鍛えられるし、年を経るにつれ作り変えられ、新たなものに生まれ変わる。

 お前のその防具はどうか?
 いつの日か、解体され、溶解され、別のものに作り変えられるだろう。
 今から百年後には、その剣は巨大なスプーンになってるかもな。

 言葉も同じ変革プロセスを経る。
 普段の会話で使われることで言葉は新たな意味を吸収して、
 まったく別の意味に変化することもよくある。

 ……何知ったかぶりしてんだ、俺は。これはな、テムからの受け売りだ。


鍛冶屋のアトス
 いいか、俺は単なる鍛冶師じゃねえぞ。

 防具や農具や剣のような、大きいものを作るのが得意だが、銀細工の修行だって積んでる。
 指輪とか、細々とした道具とか、エッチングとか。

 俺にとって、鍛冶ってのは単なる労働じゃねえ。命の源だ。
 何を作るんだろうと、これ以上ないくらい丁寧にやってんだ。

 ……だから、価格のことで苦情を言うのはよしてくれ。


付術師のヌネト
 あら、子ネコちゃん。また会えて嬉しいよ。
 あんただと気づいたからって、驚かなくていい。普通のことさ。
 体は違っても、中身は同じだからね。

 十分長生きすりゃ、あんたも単なる姿かたち以上のことも見れるようになるさ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん! さあ座って、あたしと一緒にシャーイ・コシャリーを飲んでおいき。
 モーニングティーは、最も素晴らしい習慣のひとつさ。これを欠かすなんて、もってのほかだよ。

 あたしは、砂糖をどっさり、ミントもどっさり入れるのが好きだね。

 ……ホント、どっさりとね。

 ……茶よりも砂糖の方が多いかもってほどさ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、あんた、ラムのファッタは好きかい?
 子羊とニンニク、米、トマト、他にも美味しいものがいっぱい入ってるよ!

 あたしの大好物のひとつだから、おかわりを遠慮したりするんじゃないよ。

 ……ホントだからね。たんとお食べ。
 自分がちっちゃいってことをすっかり忘れて、作りすぎてしまったんだからさ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、こんなルーンは単なるお飾りみたいなものさ。
 すご~く良いものが欲しいんなら、すご~く良いものをくれないとね。

 つまり、あたしは赤エーテルが欲しいって言ってるのさ……
 ……これがあれば、永遠に生きることだってできるからね!

 で、その代わりにあんたは、ルーンの重ねがけを得られる。

 ……ルーンの重ねがけってのはね、あんたが思ってるより複雑なものなんだよ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、不思議に思ったことはないかい?
 波止場は水辺のすぐそばなのに、ここにあるものは何ひとつ濡れてやしない。

 ……下にあるのは、水のように見えるだけで、実は水じゃない。

 決して潜ろうなんて思うんじゃないよ。猛毒だからね。
 それに、浮くはずのものが浮かないんだ。
 いくつか物を捨てたことがあるんだけど、どれも沈んじゃったんだよ。

 ……なのに何で、生きた金庫は浮かんでいられるんだろうね?


付術師のヌネト
 トーテムにコフタを作ってあげたんだけど、トーテムって、ものを食べないみたいだね。

 ……ホント、不思議よねえ。だって、生きた金庫は普通にモリモリ食べるのに。

 ……それはそうと、残り物のコフタ、いらない?


付術師のヌネト
 お腹空いてないかい、子ネコちゃん?

 あんたのために、オムアリを焼いたんだよ。
 アツアツの内に食べるのが一番だから、今すぐ食べてちょうだい。

 あたしの大好物のお菓子だから、もしいらないんなら、返しておくれよ。


鍛冶屋のアトス
 そこにいる付術師と話をしたぞ。お前の友達なんだろ。まったく、よく喋る人だ。

 銀のように愛らしいが、とにかく喋りまくる。

 アーキテクトが話してる時に、あの人が口を挟まずに大人しく座ってられるか、見ものだな。


鍛冶屋のアトス
 昨日、付術師のところにあるクリスタルの街灯柱を直したんだ。
 簡単だったさ。ボルトとナットを締めて、一時間もしねえ内に終わった。

 付術師といくらか喋ったよ。まあ、悪くはねえな。

 ……それはそうと、街灯柱の蝶番が緩んでたのは、誰かがあれを蹴ってるからなんだ。

 ……お前が蹴りてえんなら、これからもそうしてくれてかまわねえぞ。
 ちゃんと直せてるか確認できるからな。助かるんだよ。


付術師のヌネト
 あたしね、隣に住んでる人が気になってるんだよ。
 街灯柱を直してくれたから、お礼をしたいんだけどね。

 子ネコちゃんさ、あの人が…… その…… 美味しい食べ物が好きか知ってたりしない?

 フールをご馳走したいんだけど、もしあの人がガサツな味覚の持ち主なら、ビックリするでしょ。
 それも嫌だしね。

 それとも、もっとありきたりな食べ物を作った方がいいのかね?
 あんたたちのような、庶民が喜んで食べるやつさ。

 何て名前だったっけ? ……ハンブァーグァー?


鍛冶屋のアトス
 おチビちゃん、ちょっと相談にのってくれよ。お前の友達のあの付術師のことだが。
 夕食を一緒にしないかって聞かれたんだ。

 何を着ればいいんだ? 俺が持ってる服なんて、このエプロンぐらいのもんだぞ。

 ……それでもいいと思うか?

 ……上半身裸の方がいいだろうか?
 夕食って、こんな気疲れするもんだったっけな。


付術師のヌネト
 ごきげんよう、子ネコちゃん!
 昨日、あの巨体の鍛冶師とディナーをしたからさ、そのことを誰かに話したかったんだよ!

 はじめはね、あんまりいい感じじゃなかったのさ。
 あの人、煤の匂いがするし、鍛冶屋のエプロンをして来るし……

 それに、まだ料理の最中だったから、あたしもエプロンをしててさ!

 初ディナーでペアルックなんてねえ……

 でもね、ディナーは思ってたより楽しかったよ!

 装備を作るのと、ルーンを作るのには、共通点が色々あってね。
 そうさ、あたしたちは作るものは違うけど、基本的なところは似てるんだ。
 それに、商売に対して同じような情熱を抱いてるしね。

 そういうことを他人と話せるなんて、新鮮だったよ。
 情熱を持ってる男の人って、すごくステキじゃないかい!

 ……それに、あのエプロン姿もかなりハンサムだしね。


鍛冶屋のアトス
 おチビちゃん、人生って面白いと思わねえか?
 俺の人生は山あり谷ありでよ、一からやり直そうと思ってここに来たんだ。

 独りになる時間がほしくてな。

 だが、あの付術師は大したご婦人だ。こんな気持ちになったのは、久しぶりだよ。
 今の俺に必要なのは、実は孤独じゃねえのかもな。

 それに、あの人は料理の腕もかなりのものだ!
 あんなエキゾチックな料理はこれまで食ったことがねえ。
 あの人の作るフール・ミダミスは、絶品だぞ。

 ……だが正直言うと、あの人が作る「ハンブァーグァー」ってやつが一番好きなんだがな。


鍛冶屋のアトス
 おや、おチビちゃん。また出かけるのか?
 なら、気をつけて行ってくるんだぞ。

 俺はよ、お前のことが気に入ってんだ。だから無事に戻って来いよ、いいな?


鍛冶屋のアトス
 俺はよ、いつだって弟子を探してる。命がけの生活に疲れたなら、うちに来りゃいい。

 お前はちっちぇえし、腕だって細っこいが、お利口さんだからな。

 俺に言わせりゃ、学ぶことほど幸せなもんはねえぜ。


付術師のヌネト
 こんにちは、子ネコちゃん!
 ひどい夢を見たよ。食べ物を食べる必要がないって賢者トーテムが言ってたのは嘘で、
 実はただあたしの料理が嫌いなだけだったって夢さ……
 だからねぇ、今日コフタを作って、キンマネに差し入れしてみたのさ。

 ……で、早い話が、キンマネも食事をとらないんだって……

 ……そんなわけで、コフタいらないかい?


鍛冶屋のアトス
 俺の人生の目標は、いつの日か「名匠」の称号を獲得することだ。

 これはな、あらゆる工芸において優れた技能をもつ者に与えられるんだ。
 鍛冶とか、銀細工とか、革工芸とかな。

 ……革工芸のことは牛加工芸と呼ぶべきだと俺は思ってるが。

 本物の名称になるには、設計図に頼らず自分の頭で造れなきゃならねえ。

 だからよ、想像力の欠如のせいで、俺は最終考査を通ったことがねえんだ。

 俺はもう若くはねえが、そんな俺ですら古臭い慣習だと思うぜ。
 自尊心のある鍛冶師は、信頼のおける設計図なしに仕事に取りかかったりはしねえもんだ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、あんた、ちゃんと眠れてるのかい?
 あんたの目ときたら、まるで深淵につながるうつろな穴みたいじゃないか。
 あたしもね、昔は不眠に悩まされたもんだよ。

 朝起きた時の方が、寝る前よりも疲れてたこともあったくらい。

 後になって分かったんだけど、睡眠時無呼吸症候群のせいだったのさ。
 睡眠不足はお肌の大敵なのにねえ。
 成長期にあまり大きくならなかったのも、きっと無呼吸が原因に違いないよ!

 まあ、百聞は一見に如かずってね。
 あんたも睡眠習慣を直さないと、あたしみたいに永遠に小さいままになるんだからね!


鍛冶屋のアトス
 俺は名匠じゃねえかもしれねえが、お前が使ってるどの武器も愛情を込めて丹念に造った。

 剣の製造には多くの工程を要するが、中でも強靭な心金を鍛造することが最も重要なんだ。

 刃が硬すぎると、振った瞬間に砕けちまう。
 だが刃が柔らかすぎると、最初の攻撃で変形しちまう。

 いい刃は曲がり、悪い刃は壊れるもんだってことを覚えとけ。


鍛冶屋のアトス
 浮き輪の上に乗っかってる金庫と喋ったことはあるか? ありゃ、一体何でできてるんだろうな?
 ずーっと水に浸かりっぱなしなのに、ちっとも錆びねえんだぜ。

 欠片を採取できねえかなあ。


付術師のヌネト
 まだちゃんと眠れないのかい、子ネコちゃん?
 じゃあさ、枕の素晴らしさを教えてあげるよ!

 体が快適だと、心も寛げる。質のいい枕があれば、人生が変わるんだ。

 あたしの人生は変わったし、あの日々とは永遠におさらばさ(粗悪な枕の日々とはね)


鍛冶屋のアトス
 おいおチビちゃん、お前、何かいいレシピは知らねえか?

 ここんとこ、ずっと付術師に料理を作ってもらってるからよ……
 お返しに俺も作るべきだって思うんだが、料理はからきしダメでな。

 それに台所もねえからよ、870度の炉で焼きを入れるのにもってこいの料理がいいんだが。


付術師のヌネト
 ほとんどの人たちは、枕なんて休むためだけのものだと思ってる。
 でもあたしはね、色んな場面で枕を活用してるよ!
 寝る時、座る時、それに何かを支えるのにも、装飾としてもね……

 ……走る時には平べったい枕を使ってるくらいさ!

 あまりにも長い間座ってると、脚がムズムズすることがあってね。
 そんな時に、枕の上を走るんだよ!

 運動が必要だけど、実際にどこかに行くのはちょっと……って時にピッタリなのさ。


鍛冶屋のアトス
 アーキテクトのじいさんは、何歳なんだろうな?
 俺はもうすぐ百歳だけどよ、あのじいさんは一万歳はいってそうだよな。


鍛冶屋のアトス
 また冷やかしに店をのぞいてるだけか?

 言っとくが、客がいねえと商品は作れねえんだぞ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん! 枕ばなしに花を咲かせに来たのかい?
 そうねぇ、あたしは、無呼吸の改善のために特殊な枕を使ってるよ。
 これまでに何百もの枕を使ってきて、ひとつだけすごく気に入ったのがあってね。

 くさび型っぽくてね、首や上半身を高くするのに使うのさ。
 でも毎晩同じ姿勢で寝るのは良くないから、別のも使ってバリエーションをつけてるんだよ。

 だからね、いくらあたしがものすごい数の枕をもっていようと、
 あんたにはひとつだってあげられないのさ。


鍛冶屋のアトス
 ここんとこ、ピザ娘を鍛冶屋で寝泊まりさせてんだ。
 ここの奥には、風通しのいい空き部屋があるからよ。

 とは言っても、埃っぽいがな。

 いい同居人だぜ。静かだし、掃除を手伝ってくれるし。

 ……こっそり炉でピザを焼いてる気もするがな。

 困ったことだと思わなくもないが、俺もピザは好物なんだ。


鍛冶屋のアトス
 おチビちゃん、まだ外に用事があるのか?

 いや、俺はただ、今も弟子を募集中だって言いたいだけさ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、あんたさ、ピザのお嬢ちゃんと話したことはあるかい?
 すごく魅力的な子だよ。魂も、まぶしいくらいにキラッキラしてる。
 あの子には、何かすごく特別なものを感じるんだ。あの子のピザの話じゃないよ。

 信用できる子だって感じがする。

 ピザの配達人にはもったいないくらいの、カリスマをもったお嬢さんさ!


鍛冶屋のアトス
 おいおチビちゃん、お前、もっと肉を食った方がいいぞ。

 たまには、うちに飯を食いに来い。
 ヌネトはほっぺが落ちそうなシチューを作れるし、俺だって、真っ黒に焦げた肉を作れるぞ。


鍛冶屋のアトス
 おいおチビちゃん、ヌネトのために鋼の枕を作ったんだが…… どう思う?

 できるだけ柔らかくはしたが、それでもまだとんでもなく硬くてよ。

 ……はっきり言って、
 お前がピンチに陥った時に、武器として使えるんじゃねえかってほどガチガチなんだ。


付術師のヌネト
 うぅぅぅ…… くぅぅぅ……

 こんにちは、子ネコちゃん。

 今日は、起き上がるのは勘弁してちょうだい。
 昨日、金属でできた枕で寝たらさ、首が痛くてたまらなくなったんだ。

 あの大きな人をガッカリさせたくはないけど、自分の枕を使うことにするよ。
 数え切れないほどもってるしね。


鍛冶屋のアトス
 ヌネトのために枕を作ったって言ったろ? あれはひどいアイデアだった。
 あれで寝たヌネトが、背中を痛めちまったんだ。

 あの人は柔らけえものが好きだが、俺は鍛冶師だ。硬い物しか作れねえ。
 だが、大切な人に何か作ろうって時に、自分流を押し付けてばかりじゃいけねえよな。
 もっと相手の身になってみねえあとな。

 ったく、鋼の枕なんて…… 俺は一体何考えてたんだ?


鍛冶屋のアトス
 ここの後ろにでっけえ木の柱があるだろ。
 あれがぐらついてたから、補強しておいた。
 だからよ、大暴れしてえんなら好きなだけやってくれって、キンマネに伝えといてくれよ。


鍛冶屋のアトス
 おいおチビちゃん、これからも頑張ってくれよ。いいな?

 地下での生活も悪くねえって思ってたんだが、
 「名匠」の称号取得試験をもう一度受けたくなってよ。

 想像力の欠如のことは、ヌネトが力になってくれてる。
 細々としたことだが、想像力を働かせるために色々手伝ってくれてんだ。

 上手くいってるかは分からねえが、支えてくれる人がいるってだけで、
 もう一度やってみようって気になるな。


付術師のヌネト
 何であたしがあんたを「子ネコちゃん」って呼ぶか知ってるかい?
 それはね、あんたが放ってるオーラのせいさ。
 そのオーラがあんたをコロコロのモフモフに見せてるんだ。子ネコちゃんみたいにね。

 それに、あんたは小っちゃくてかわいいしね!


付術師のヌネト
 こんにちは、子ネコちゃん。舟旅のおやつに、ババガヌーシュとピタを作ってあげたよ。
 長旅で軽く食べるのにピッタリの、美味しいスナックさ。

 多めに作ったから、カロンにも分けてあげるといいよ。
 あの人、もうちょっと食べたほうがよさそうな見た目だからね。


付術師のヌネト
 悪いんだけどね、子ネコちゃん、今日はあまりお喋りをしたい気分じゃないんだ。
 昨夜は脚がムズムズムズムズして、もう頭がどうにかなりそうだったよ。

 一番中枕の上でジョギングをしたけど、効果がなくて。
 後で昼寝をしようと思ってるところさ。

 後でってのはつまり、あんたが去ったらってこと。
 だって、うちはそんなに客が来るわけじゃないからね……


鍛冶屋のアトス
 なあおチビちゃん、カロンのマントの下を見たことあるか?

 真っ黒なんだが、一度だけチラッとあいつの武器を見たことがある。

 白くぼんやりと光る、鎌みたいなやつでよ。
 この世のものとは思えない、別世界の武器って感じだったな。

 ……あれの素材を、ぜひこの手で触れてみてえもんだ。


鍛冶屋のアトス
 よう、おチビちゃん。すまんな、今日はちょっともたついててな。

 指が思うように動かねえんだ。

 編み物を始めたら、指がえらいことになっちまってな。

 あんな柔らけえもんがこんなに難しいとは、思いもしなかった。しかも痛えったらねえ!


付術師のヌネト
 こんにちは、子ネコちゃん。かわいそうに、あたしの大事な巨人さんが指を痛めたんだ。
 リサーン・アスフールのスープで癒してあげるつもりが、つい作りすぎちゃってね。

 あの人は体が大きいから、どれくらい作ればいいのかよく分からなくて、
 たくさん残っちゃったんだ。
 だから、舟旅に持っていくといい。

 ピザ友達と、舟漕ぎ友達にも分けてあげなよ。

 チキンとパスタが入った、美味しいスープさ。
 あんたたち三人とも、きっと気に入るよ。


鍛冶屋のアトス
 編み物はちょっとお休みだ。ありゃ、大変な重労働だぜ。

 鋼の枕は失敗だったからよ、付術師のためにちゃんとした枕を作りてえんだがな。

 これまでにできたのは、このちっちゃなナプキンだけだ。
 これだって、数日がかりなんだぜ……

 ……枕だなんて、数世紀はかかっちまうかもな。


鍛冶屋のアトス
 枕作りはあきらめた。俺には難しすぎたよ。

 その代わり、ガラスのビーズを作って、ヌネトの毛布に縫い付けてやったんだ。
 あの人は、不眠に悩まされることがあってな。
 ギュッとハグしてやると気持ちが落ち着くらしいんだ。

 それで、俺が隣にいねえ時のために、このずっしり重い毛布を作ったんだ。


付術師のヌネト
 ねえ子ネコちゃん、聞いてちょうだい。あたしの大事な巨人さんはねえ、本当に優しいんだよ!
 あたしの毛布に、ガラスのビーズを縫い付けてくれたんだ。

 あの人は「荷重毛布」って呼んでるけど、こんなにステキな毛布は他にないね。
 夜中に足がムズムズしても、これを使うと治まるんだ。

 ……なんて優しい人なんだろうね。まるで巨大な子ネコちゃんじゃないかい。


付術師のヌネト
 おや、子ネコちゃん。素晴らしい一日じゃないかい!
 あの荷重毛布を使い始めてからというもの、ぐっすり眠れるようになってね!

 初めはちょっと重すぎたんだけど、ちょうどいい重さになるよう、アトスがビーズの数を
 減らしてくれたから、今じゃ大のお気に入りの毛布さ。
 アトスは、これ以上なく心優しい巨人だね!


鍛冶屋のアトス
 ここは何とも特別な土地だな、おチビちゃん。
 何の期待も抱かずにここに移り住んだが、そうして良かったと実感してる。


鍛冶屋のアトス
 なあ、おチビちゃん。
 これは秘密にするつもりだったんだが、実はヌネトにプロポーズしようと思ってたんだ。
 こっそり指輪を作ってたんだが、すぐ隣にいる人に見られねえようにするのは難しくてよ……

 「思ってた」って言ったのは、プロポーズする機会がなかったからだ。
 だって、プロポーズしねえ内に承諾してくれたからよ……

 すまんな、おチビちゃん。目に煙が入っちまったようだ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、もう聞いたかい? あたしね、結婚するんだよ!
 アトスが私のために指輪を作ってくれてたんだけど、あたしがその意味を知ってるもんで、
 心底ビックリしててね。

 おかしいと思わないかい?
 だって、結婚指輪はあたしの故郷が発祥なのに、あの人は自分の故郷の習慣だと思ってたのさ。

 よその土地の習慣を取り入れておいて、それを自分のところのものだと思い込むなんて……

 ……何ともかわいらしいじゃないか。



付術師のヌネト
 子ネコちゃん、アトスとあたしはね、あんたを結婚式に招待したいと思ってるんだ!

 あの人は自分で招待したがってたけど、ジャンケンに勝ったのはあたしだからね。

 あの人ったら、あたしにジャンケンのルールを教えようとしたんだよ。
 おかしいと思わないかい?
 ジャンケンが自分の故郷の習慣だと思ってたようだけど……

 ……まあ、あの人の故郷でも思いついたのかもしれないね。
 ジャンケンなんて、難しい発想のものじゃないしさ。


鍛冶屋のアトス
 結婚式の正式な日取りは、まだ決めてねえ。みんながここから出れたら、やろうかと思ってる。

 「みんな」の中にはお前も入ってるからな。あまりフラフラほっつき歩いてんじゃねえぞ。

 ……式の席次をメチャクチャにされちゃかなわねえ。


鍛冶屋のアトス
 ここにいると時間の感覚がおかしくなるな、おチビちゃんよ。
 そんなに経っていねえはずなのに、初めてこの波止場に足を踏み入れてから
 ずいぶん経ったようにも感じる。

 ……俺は、鍛冶業界で取り残されちまってるんだろうか。


鍛冶屋のアトス
 よう、おチビちゃん。この調子で頑張るんだぞ!


付術師のヌネト
 指輪は、永遠の人生と愛を象徴するものだって知ってたかい?
 あたしの父がそう言ってた。
 けど、太陽と月も意味するって言ってたから、話をしながら付け足していったのかもしれないね。

 とにかく、あたしはあの見た目が大好きなのさ!


鍛冶屋のアトス
 なあ、おチビちゃん。これまでずっと、俺のおしゃべりに付き合ってくれて感謝してるぜ。

 ここに来てからってもの、俺は人としてかなり成熟した……
 人生最良のものは全部ここで始まったが、それでもここを去るのが待ちきれねえ。

 ……いつからあるのか知らねえが、ここにはソウルストーンが置いてあってよ。
 これを使って何か作ろうと思ってたんだが、どうしても溶解することができなかった。

 お前が精いっぱい頑張ってることは知ってるぜ、おチビちゃん。
 だが俺の経験から言うとな、助けがいらねえ奴なんていやしねえ。

 で、このソウルストーンだがな、俺がこれを使うことはねえし、
 お前は外で苦戦してるみたいだしよ。だから……

 ……あのな、俺が言いてえのは、幸運を祈ってるってことだ。みんな応援してるんだぜ。


付術師のヌネト
 子ネコちゃん、聞いてちょうだい。
 ここの水は猛毒だけどさ、霧には美肌効果があるんじゃないかって気がしてるんだよ。


付術師のヌネト
 ごきげんよう、子ネコちゃん!
 あんたとマリアとカロンの可愛らしいトリオのために、お弁当を作ってあげたよ。

 アトスの大好物、ハンブァーグァーさ。


付術師のヌネト
 いいかい、子ネコちゃん。あたしはいつだって、あんたのことが大好きだよ。

 誰になっていようと、あんたはあんただからね!


付術師のヌネト
 子ネコちゃん! 結婚式の招待客のひとりが、早めのお祝い品をくれたんだよ!

 ……まだ開けるべきじゃないのは分かってたけど、待ちきれなくてさ!

 それはともかく、そのお祝い品はソウルストーンの詰め合わせでね、
 あたしには使い道のないものだったのさ。

 だから、あたしと巨人さんをめぐり合わせてくれた「お礼の品」として、
 正式にこれらの石をあんたに譲りたいんだ! どういたしまして!

セリフ集:生きたダミーと賢者のトーテム

ローグレガシー2の一回限りのセリフ集です。
汎用セリフや日記、記憶の断片などの何度でも聞ける(読める)セリフは省略しています。
金色の扉以降のセリフはさすがに自力で見てください。




ダミーのレディ・キンマネ
 こ、こ、こんにちは! ここは、ステキな集落だね!

 あ、あ、あ、あたしの名前は、レディ・キンマネ。お会いできて、すごく嬉しい!

 あ、あ、あたしは生きたダミー武器にちなんだことなら、なーんでも知ってるよ!
 武器のすべてが大好きだから、何か質問があったら、き、き、き、気軽に聞いてね!

 それに、もしかしたら、こ、こ、小技も、い、いくつか、教えてあげられるかもしれないし!

 そ、そ、それと、ど、ど、どもってしまってごめんね。
 緊張すると、あ、あ、悪化しちゃうの……

 ……

 ……それくらいかな。こ、こ、これから、よろしくね!




賢者のトーテム
 刮目せよ!

 吾輩は賢者トーテム。君はいま、吾輩に結合された。

 君が持つあらゆる知識が、精霊の木である吾輩の中に蓄積されよう。

 単一の職業にてマスタリーを獲得することは、
 すべてにおける優位性を得るのと同じことである。
 知識を共有してこそ、吾輩たちは強くなれるのである。

 ……以上。

 ……なぜまだここにいる?
 長談義はおしまいだぞ。

 ……吾輩は、雑談というものが得意ではない。

 ……

 ……このような気持ちを、月曜の朝というのであろう?



賢者のトーテム
 吾輩は知識の泉である。
 これまでに、あまたの文明が起こっては滅びるのをこの目で見てきた。(原文ママ)
 我が知識は永遠であり、我が自我はとどまるところを知らない。

 この波止場では、新たな共同体が育ちつつあるようだ。
 この社会にひそかに溶け込んで、楽しむとしよう。


賢者のトーテム
 人間よ、吾輩はこの波止場で楽しいひと時を過ごさせてもらうぞ。

 ここは、研究するに値する人間や吸収するに値する文化に事欠かない、
 商業の中心地だからな。


賢者のトーテム
 ボンジュール、人間よ!

 君の世界では、このように挨拶するのが雅やかなことであるらしいな。

 ボンジョルノは、イタリック語で「こんにちは」という意味だ。


ダミーのレディ・キンマネ
 ふぅぅぅ…… あたしは、ここが好きなの。
 モ、モ、モ、モンスターさえいなくて安全なら、この波止場はとてもいい場所なのに。

 ……それに、こんがり日焼けできるし。


ダミーのレディ・キンマネ
 何日か前に、星があたしの近くを浮遊していったの。
 半透明で、なんだか長い、しょ、しょ、触手が付いていてね、とてもキレイだった。

 少なくとも、あたしはキレイだと思ったな……

 ……でもよく考えると、あれは星じゃなかった気がする。

 ……どっちにしても、じっくりは見れなかったの。
 怖かったから、し、し、し、下に降りて、隠れたんだもん。


ダミーのレディ・キンマネ
 ねえねえ…… どうやったら、ピ、ピ、ピザをもらえるのかな?

 ……食べれないけど、見るのが好きなの。


ダミーのレディ・キンマネ
 現在普及している戦闘スタイルのほとんどが、
 河の守人レメクさんによって、か、か、確立されたって知ってた?

 レメクさんは、け、剣や、斧、槍の他にも、た、た、たくさんのカッコいいものを極めたんだよ。
 レメクさんは、あたしのヒーローなの! すごく偉大な人に違いないよね!

 ……一度も会ったことはないよ。
 でも、レメクさんほど戦技を極めた人が、悪い人なわけないもん!


賢者のトーテム
 FIX UND FERTING SEIN(フィクス・ウント・フェルティヒ・ザイン)、人間!

 この言い回しを耳にしたことがあるかね?
 これは、修理して完成したという意味であるからして……

 高度な技術を用いて自らの体を増強した者が用いる言葉であると、
 我輩は信じている……

 ……そうとも ……この言い回しは、そうでなければ論理的に説明がつかない。

 ……何とも満ち足りた気持ちにさせる言い回しではないか。


賢者のトーテム
 恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)、人間!

 大昔に誰かがそう言っているのを聞いて、我輩の永久記憶媒体に
 書き込んでおいたのだ。

 これは、「打ち上げ成功」という意味で……
 この惑星の軌道の軌跡を擬人化したがる者たちが使う言葉だ。

 ……人間とは、つくづく擬人化することを好む生き物であるな……


賢者のトーテム
 ウオォォアアウォアアアオオオアアアオオオアアオォ!

 人間よ、これは我が故郷である精霊の森で用いられる、聖なる言葉での挨拶だ。

 いや…… 今のは真っ赤な嘘だ。

 我輩の母国語は日本語である……

 我輩は他者との融合であるゆえ、自己意識というものに乏しいのだ。

 ……

 ……このようなものを、月曜の朝の気持ちというのであろう?


賢者のトーテム
 ……我輩は誰だ?

 我が命とその目的とはいったい何なのだ?

 我輩は何者かに作られたのか、それとも初めから存在してきたのか?

 …………

 実に難しい問題だ……
 我輩は完全な存在であり、どのようにして誕生したかは問題ではない。

 そうだ…… そう考えると気分が良くなった。

 早くも、我が精神の解離が治まったぞ。


賢者のトーテム
 (我が名は賢者トーテム)

 (……いや、これは我が名と部署のどちらであっただろうか?)

 ……おや、こんにちは、人間。君がいることに気が付かなかった。
 は。は。は。我輩がいま言っていたことは忘れてくれたまえ。

 ……ジョークを書いていたのだ。

 オチが……今のところ思いつかなくてな。

 ……形而上学的ホラーに面白みを感じるというのなら、話は別であるが。


ダミーのレディ・キンマネ
 こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こんにちは。

 ご、ご、ご、ごめんね。今日はいつもより、ど、どもっちゃって。


ダミーのレディ・キンマネ
 あたしは日曜日が一番好き。

 他の日と変わりはないけど、ひ、ひ、ひ、響きが好きなの……

 ……に、に、日曜日っていう言葉の。


賢者のトーテム
 人間よ、君は、波止場のてっぺんにいる者の名前を知っているか?

 彼女からは、力と威光を感じるのだ。

 好奇心をそそられる。ぜひお近づきにならなければ。


賢者のトーテム
 人間よ、聞いたところによると、レディ・キンマネは日曜日が好きなのだそうだ。
 我輩も、日曜日は好ましく思っている。
 より崇高な存在である我々の好みが類似するということを、いかにして彼女に
 示せばよいだろうか?

 ……

 ……日曜日、であったな?


ダミーのレディ・キンマネ
 け、け、賢者トーテムに今日は何かするのって聞かれてね。

 な、な、な、何もしないよって、こ、こ、答えたら……

 ……ふうんって言って、どこかに行っちゃった。

 あれは、なんだったのかな?


ダミーのレディ・キンマネ
 何であたしはこんなに武器が好きなのかって、時々考えるの。
 た、た、た、戦うのは嫌いだし……

 (他人を傷つける人なんて、き、き、嫌い~)

 武器のた、た、た、単純明快なところが好きなのかな。
 たった一つの目的をもつ道具の簡潔さが。

 その使い手となるための厳しい修行とか。

 ……それに、か、か、か、カッコいいコンボも。


ダミーのレディ・キンマネ
 か、か、河の守人レメクさんは、し、しし、史上初の魔術剣士だって、知ってた?

 レメクさんが現れる前は、騎士はただ剣を振って、
 メイジはただスペルを唱えるだけだったんだよ。

 今の地位についてから、レメクさんは、み、み、みんなに、剣魔両道を教えたの。
 みんなが、す、すべてに精通してることが重要だって考えたから。
 だから現状の騎士は、剣もスペルも、両方操れるよ。
 メ、メ、メイジはどうしたのかって?

 ……メイジは、今もスペルだけだよ。
 腕の筋力がすごく弱いから。


ダミーのレディ・キンマネ
 ひ、ひ、人によっては、ものすごく、よ、用語にこだわるよね。
 ファルシオン、ソード、エストック、サーベル。

 もちろん、どれも「別物」だけど、お、お、大騒ぎするほどのことではないと、あたしは思うよ。

 も、も、もっと多くの人たちが、武器を好きになってくれるようにしたいよね!
 細かいことは、その後でもいいじゃない!

 趣味で始めたばかりの人に押し付けるのって、違うよね。
 うんちくは、熱心なファンに任せておけばいいよね!


賢者のトーテム
 人間よ。我輩は、レディ・キンマネとデートをしてきたぞ。
 滞りなく完璧に進行し、10秒以内に完了させることができた。

 おそらく、世界記録を更新したのではないだろうか。
 この手際の良さには、我ながらまたもや感心させられた。


賢者のトーテム
 人間よ。我輩は、レディ・キンマネと話をしてきた。
 彼女は、我々がデートしたということにすら気づいていなかった。

 我輩のデートのスピードには、あれほど明敏な彼女ですら
 ついてこれなかったようだ。

 デートの速度を再考しなければならないな。
 おそらく、持続時間を延長するのが妥当であろう。


賢者のトーテム
 「ずっと、独りぼっち」。

 これは、常に孤独であり続けることを意味する言葉だ。

 我輩の未来を要約する、実に強烈な言葉じゃないか。

 ……ずっと……独りぼっち。


賢者のトーテム
 人間よ。我輩は、我と同じくらい古くからこの世界に存在していると思しき者を
 発見したぞ。

 彼の知識を得て、我が知識を補完するつもりだ。

 彼の永遠の年齢をもってすれば、レディ・キンマネに対する理解を深めることも
 可能であろう。


ダミーのレディ・キンマネ
 さ、さ、最近、マリアとよく話すの。
 マリアって、す、す、すごく優しいね。

 連れてきてくれて、ありがとう!

 それとね、隠そうとしてるけど、マリアは武器に詳しいんだよ!

 ……か、か、カッコいいよね。


ダミーのレディ・キンマネ
 こんにちは。
 マ、マ、マリアに、賢者トーテムとのデートはどうだったか聞かれたの。

 ……デ、デデ、デートをしてたなんてことすら、知らなかったよ!

 トーテムは、す、す、すごく優しいけど、あたしよりも変わってるでしょ……

 (……自分がこんなことを言うなんてビックリ)

 ……きちんと、お誘いしてみようかな。 (二度目の初デート?)
 (誰かを誘うなんて、初めて…… ドキドキ)


賢者のトーテム
 人間よ。かの高名なレディ・キンマネが、我輩との食事を承諾してくれた。

 なんとも心が高鳴る出来事ではないか。

 だが人間よ、我々はどちらも食べ物など摂取しないのだ。
 ……我輩はどうしたらよいのであろうか?

 ……

 ……ランチ、であるな?


ダミーのレディ・キンマネ
 二度目のデートは、う、う、う、うまくいったよ!
 付術師さんは、い、いい人で、あたしたちに手料理をごちそうしてくれたの。

 あたしも賢者トーテムも食べられないけれど、料理は、お、お、おいしそうだったよ。
 (残った分はマリアにあげたの)

 賢者トーテムってとても賢いの。と、と、遠くの土地のことや、そこの文化について話したよ。

 知識が豊富なトーテムが話すと、何でもものすごく面白く聞こえるの!

 それに、よその文化のぶ、ぶ、武器や、せ、せ、戦闘スタイルについても、
 たくさん教えてもらっちゃった!


賢者のトーテム
 レディ・キンマネが、我々の逢瀬がデートであったと認知してくれた。

 デートは成功裏に終わった。

 我が生涯も成功である。

 さらに我々は、宿無しの女子に残った食べ物を与えることにも成功した。

 慈善活動も成功である。


賢者のトーテム
 GOD NATT(ゴ・ナット)!

 これは、「お休み」という意味であるぞ、人間よ。

 とはいえ、永遠に日が照っているこの地においては、無用な言葉であるな。


ダミーのレディ・キンマネ
 ……ごめんね、ちょっとぼんやりしてたの。
 最近、あ、あ、頭に霧がかかったみたいな感じで。

 ……け、け、賢者トーテムと過ごすことが多くなって、ソワソワ落ち着かないの。


ダミーのレディ・キンマネ
 この前、賢者トーテムのことを「テム」って呼んだら、それは何かって聞かれたの。
 これまで一度もニックネームを付けられたことがないから、ビックリしたみたい。

 せ、せ、説明してあげたらね、すごく気に入ってくれたよ!

 ちょっと気に入りすぎかなってくらい。

 ……だって、ずっと繰り返し言ってるんだもん。


ダミーのレディ・キンマネ
 時々、ア、ア、アーキテクトがここに来て、お話を聞かせてくれるよ。

 変わったお話だし、長いよね。

 ……それに、戦闘シーンがないの! 登場人物はみんな賢すぎるし!


ダミーのレディ・キンマネ
 こんにちは! 何か違うことに気づいた?

 考える時間をあげるから、当ててみて!

 ……

 あ、待って。あたしが喋らないと、当てようがないんだった。

 あのね、どもりが治ったの!

 て言っても、完璧にではないけど。でも、どもる回数が、す、す、少なく…… あっ!


ダミーのレディ・キンマネ
 ゆっくり考えながら意識を集中して話すようにしたら、あんまりどもらなくなったの。

 でも、どうしてもどもりがちな言葉があるから、気をつけなきゃ。
 あいうえおで始まる言葉とか…… さ行とかの、こ、こ、言葉がね。
 (あっ、「こ」で始まる言葉も……)

 ずっとね、テムがこっそり手伝ってくれてたの!
 すごいでしょう? だって、テムは実は言語学の専門家で、しかもポリグロットなの。

 ……ポリグロットって何だったっけ?

 わ、わ、忘れちゃった。


賢者トーテムのテム
 人間よ。レディ・キンマネが、我輩にこれ以上なく神聖な名前を授けてくれた。

 いま我輩は、「テム」として知られている。
 この新たな名前は、永遠に用いられるであろう。

 これにより、我輩に対する君の畏敬の念も尽きることなく続くであろう。


ダミーのレディ・キンマネ
 ねえ、知ってた? あたしたちはね、頭の中で文章を組み立てなくても喋れるんだよ。

 話すのってあまりにも自然なことだから、すごい速さでどんどん喋れるの。

 どもりを治すために、伝える内容を意識するよう練習しててね……
 話す前に次の文章を頭の中で考えるようにしてるんだよ。

 だから、話すのが前よりちょっとゆっくりになったけど、
 でも今の方が意味のあることを言ってるって思うの。

 もしあなたがどもりで悩んでいなくても、ぜひ試してみて。おススメだから。
 とても楽しいし、より有意義な会話ができると思うの。

 意識して話すのが難しくなる時がひとつだけあってね、
 それは、あたしがぶ、ぶ、武器について話す時……

 ……うわーん、ぶ、ぶ、武器のことを、か、かか、考えただけで、あ、あ、頭がカーッて……!


賢者トーテムのテム
 人間よ。
 やんごとなきレディ・キンマネが、我が認識に誤りがあることを示してくれた。

 過去に対する我輩の執着は、思考の欠陥であったのだ。
 過去は、現在の我輩が何者であるかを決定づけるものではない。

 我輩が、どのような目的のもとにどのように誕生したかは問題ではないのだ。

 我輩はテムである。今は無論、未来永劫に。


ダミーのレディ・キンマネ
 あたしのお気に入りの河の守人は、誰でしょう?

 ふたり挙げるとしたら、それはね、レメクさんとイラドさんだよ。

 河の守人レメクさんは、つ、強くて荒っぽいの。
 全兵士に訓練を施したし、あらゆる戦闘技術の達人なんだよ。

 河の守人イラドさんの方はって言うと、頭脳明晰な戦略家だよ。

 イラドさんは国王の次に偉くて、全国王軍の大将なの。

 ……誰か、レメクさんとイラドさんのフィギュアを作ってくれないかなあ。


ダミーのレディ・キンマネ
 ここのところずっとテムとたくさん話しててね、
 ここを出たら世界を一緒に旅しようって言われたから、オッケーしたの。

 あたしは、波止場のこの場所が好きなんだけどな。
 だって、全部成り行きに任せて、のんびりリラックスできるでしょ。

 でも、あたしがどれだけ多くのことを見逃してきたか、テムが教えてくれたの。

 外のせ、せ、世界って、お、お、面白そうだし、見逃したくないな!


賢者トーテムのテム
 我輩は、我が存在をもってこの波止場を麗しく飾る選択をしたことを
 喜ばしく思っている。

 この上なく優れた洞察であったことが、証明された。


ダミーのレディ・キンマネ
 ボンジョルノ! ステキな一日だね!

 「こんにちは」を、いろんな言語でどう言うのか、トーテムが教えてくれてるの。
 ボンジョルノはね、イタリック語っていう言語なんだって。


賢者トーテムのテム
 人間よ。我輩は、我が名であるテムという名称について調べ、
 この言語には語源的な由来が皆無であることを発見した。

 我輩は、完全に固有の存在なのである。
 我輩の前に「テム」という名をもつ者はおらず、この先も現れないであろう。

 これぞ、完璧な名前である。


ダミーのレディ・キンマネ
 河の守人イラドさんは、「智将」として有名なんだよ。知ってた?
 あ、あ、あらゆる本に載ってるくらいなの!

 でもね、それを読むと、もやもやした気分になるよ。
 誰もがイラドさんの戦略を称賛するけど、でも、兵士だってすごいよね?
 だってそもそも、河の守人レメクさんが鍛えた兵士たちがいたのが、
 イラドさんの戦略がうまくいった理由なのに!

 ……戦功は、は、はは、半分こにすべきだと思うな。


賢者トーテムのテム
 鍛冶師が、我輩のためにこのピンを作ってくれたのだ。君はどう思うね?
 これは殺傷装置の形状をしている。

 誰よりも尊敬に値するレディ・キンマネなら、このような小さく愛らしい
 見た目の殺傷装置を称賛するであろうと信じている。


ダミーのレディ・キンマネ
 生きた金庫のアッティコスに、投資をするよう言われたの。

 ……でも、お金なんてもってない……

 お金をくれないかな?


ダミーのレディ・キンマネ
 どもりを治すために、毎晩本の朗読をしてるの。
 どもったら、少し速度を落として、その文章をもう一度読むんだよ。

 たくさん読むほど、早く読めるようになってきたの。
 後戻りしているような気がしてもどかしくなることもあるけど、少なくとも今も読めてるもんね。

 ……いつもはテムが隣にいてくれるの。そのことも、すごく嬉しくて。


賢者トーテムのテム
 おっつ~!

 これは、自分の話をしたい時に、ある女子が別の女子にする声かけである。
 少なくとも、そうだと聞いている。

 人間よ、君は女子であるのか?
 我輩にはよく分からない。まあ、どちらでもよいのだが。


ダミーのレディ・キンマネ
 テムが、また一晩一緒に過ごしてくれたの。
 とてもステキな夜だったなあ……

 あたしたちが出会えるようにしてくれて、ありがとう。
 テムと一緒だと、毎日が色づいたように面白いの。


賢者トーテムのテム
 人間よ。我輩は、尊敬してやまないレディ・キンマネの吃音が軽快するよう、
 力になっている。

 彼女は今のままですでに完璧であるため、ありのままの彼女に何らかの変更を
 加えることで、不完全さを生み出す結果につながりはしないだろうか。

 ……我輩はジレンマに陥っているのだ。


ダミーのレディ・キンマネ
 こんにちは! 今日はカッコいいね!

 訓練をしに来たの?


賢者トーテムのテム
 人間よ。
 もし仮にレディ・キンマネがどもったとしても、とがめたりしないでくれたまえ。
 その代わり、どもらなかった時には褒めてあげてほしいのだ。

 正の強化は、相手に改善の意欲を起こさせる。
 を与えると、それが与えられた状況を避けるようになる。

 ……もしレディ・キンマネが喋らなくなってしまったら、
 人間よ、我輩は君の責任であるとみなすぞ。


ダミーのレディ・キンマネ
 また来てくれたのね!
 昨日ね、ヌネトにあげようと思って料理の本を探していたら、ソウルストーンを見つけたの。
 すごくキレイでしょ。

 ……全部ヌネトにあげたと思ってたんだけど(プレゼントとして)
 でもソファーの後ろにまだたくさん残ってて……

 うーん…… 残りのソウルストーン、いらない?


賢者トーテムのテム
 「レディ・キンマネ」という名前も、この名前より前から存在している
 他の言葉とは語源的なつながりがない。
 しかしながら、彼女の名前は「金」と「マネー」を連想させる。貨幣は創造性の
 象徴であり、金からさまざまなものが作られたのは言うまでもない。

 彼女の名前は、作り出すものにちなんでいる。
 そして今度は、彼女が我輩の自我を作った。

 人間よ、命あるものとは、これほどまでに詩的であるものなのか?

 ……それとも、我輩が拡大解釈しているのだろうか?

 我輩には、詩というものが理解できないのだ。


賢者トーテムのテム
 陽はさんさんと輝いている。良い一日だな、人間よ。


賢者トーテムのテム
 人間よ。

 レディ・キンマネとの懇親に手を貸してくれたお礼として、これらの
 ソウルストーンを君に進呈しよう。

 我輩は、求愛過程の一環として彼女にこの石を譲り、そして彼女は花嫁付添人の
 一環としてこの石をヌネトに譲った……

 そしていま我輩は、友情の一環としてこの石を君に譲るのだ。

 これを受け取ってこの場を去ることにより、謝意を表明してくれたまえ。

 我輩は、お礼を進呈した後の適切な社交辞令というものを知らないうえ、
 雑談というものが理解できないのだ……

 ……

 ……月曜の朝の気持ち、であると思わないか?